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留学生活、続行。そんなスケオタブログ。
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0904-06
開演5分前。わらわら。

お待たせしました、超主観的グダグタ感想後半戦です。前半戦はこちら
あのー書くのに時間がかかったのには理由があって……前半戦をアップしてから、なんかアクセス数が爆発的に増加して(自分比)。
うわあーちゃんと書かなきゃいけないのかあーと、ちょびっとプレッシャーになってしまいました。だって拍手とか、何この数(自分比)!?www

当ブログへのアクセスありがとうございます。
多くの方に見ていただいているということで、記憶が曖昧な部分はきちんとネットで補完してから書いたほうがいいのかなとも考えたのですが、動画の感想なら誰にでも書けるわけで。
わたしは、わたしの頭に残っているものを出し切りたい。印象に残った部分は思いきり語って、そうでない部分はさらりと流して、自分勝手でも間違いがあっても、あの時の首都体育館に存在した一人の人間の目線で語りたい。
読み手のために書いていない時点で感想として崩壊しているかもしれないけれど、それでもここへたどり着いた人に読んで欲しいのは、ショーで何があったかではなく、ショーのいち参加者が何を感じたか。
ショーの内容をきちんと知りたい方にとっては役に立たない感想ですが、まあ言ってしまえばそういう人は、後日ネットの海に放されるであろう動画を見ればいいわけで。カメラに収まらないことをできるだけ書きたい。
だからここで書いていることの中には、もしかしたらとんでもない間違いがあるかもしれない。耳聴為虚、目見為実という中国のことわざがありますが、実際にあったことに関しては、ぜひ動画などで、自分の目で見て欲しいと思います。
こういう考えにもとづいた感想なので、きっとこれから先、たとえば試合を見に行っても、同じように「カメラに収まらないことを書きたい」というスタンスでいくと思うので、そこはご了承下さい。

前振りが長ァい!!!と思ったそこのあなた、本編は恐ろしいことに前回より長いぞ!
第二部は結婚式よりショーを重視したようで、悲しげなプログラムも含め、スケーターの個性が光る、さまざまな魅力の詰まった時間となりました。

氷上雅姿盛典~ARTISTRY on ICE 感想
後半戦 第二部~さいごまで



斗牛舞 by Chinese Pairs

「斗牛」は中国語で闘牛のこと。闘の簡体字は斗、これ豆知識な!
休憩中、製氷の終わった頃から、リンクを横切るように赤い布がジグザグに5本渡されていく。
両端に布を持つ&巻き取るお仕事の人がいて、各ペアがその布の下に入った状態から始まるプログラム。布が5本ってことは、5組のペアでやる予定だったんだろうなぁ……張昊ぉ(´;ω;`) 名前がちょっとわからないんだけど、もう1ペア不参加になっちゃったのね。
全体的に赤と黒でまとめられた非常にかっこいい衣装で、中国のペア3組が共演するオリジナルのプログラム。熱く、かっこいい。
女性は最初赤のロングスカートで、途中からばさっ!とミニスカートの衣装に変わるのが印象的だった。ばさっ!と取ったほうの赤い布は男性がまさに闘牛のようにひらひらと振っていた。
いつも思うけど早着替え式の衣装ってどうなってるんだろう。プルシェンコの男女切り替えのやつとか、最近だとベルビン&アゴスト組の、幼馴染からカップルになるみたいなプログラムとか。まさかマジックテープじゃないよね? バリバリ←やめて!
それぞれ違ったポジションのリフトで輪を描いたり、迫力とキレのあるぴったりと揃った動きを存分に楽しめた。でもやっぱり、こんな貴重な機会を5組そろった状態で見られなかったのがとっても残念。くるくる輪を描くところとか、3組だとどうしても凄みに欠けてしまう。5組でやったら、きっともっとかっこよかっただろうになああああ(´;ω;`)
是非ともこれっきりにせず、またどこかで5組揃った状態で披露してほしい!!
最後は女性がばったりと倒れるような振り付けでフィニッシュ!あとリンクの両脇に、陸上で踊る(社交ダンスみたいなの)担当の人がいて面白かった。


◆Program by Chinese National Queen

ここで司会者から「今回の出演者の中で最年少のスケーターです」と紹介されたのは、弱冠13歳にして現在の中国女子シングル1位だというおんなのこ。
おそらく今季のSPであろう(適当予想)プログラムを披露してくれました。
照明が点いた瞬間「わあー」と声が上がるほど、もう本当にちっこくてちっこくて。ちっこい体を一生懸命に使っている感じが可愛かった。ジャンプは転んでもいたけど、なんだっけ3S?と2Aは跳んでたと思う。
プレゼントも投げ込まれてたし、お客さんから暖かい拍手をもらっていました。雪組と縁のある子だという情報は本当なのかなあ。しかし13歳でナショナル1位って、この子がすごいのか、上の層が薄いのか……シングルもがんばれよ中国!!


Ne me quitte pas by Stephane Lambiel

各選手、第一部か第二部のどちらかの出番前に、簡単なCMのような映像が流れるようになっていたんだけど。
ランビエールのCMの鮮やかなしまうま柄が目に入るとともに、わたしはふと氷上に目を移して、そこにたたずむ彼の衣装、そのシルエットはどう見てもNe me quitte pasのものだったから、拍手も歓声も呼吸もなにもかも忘れて、ただ一言「ぬぎっぱだ……!!!」と呟いて、それからもう、プログラムが終わるまで微動だにできなかった。
#1で言及したことがあるけれど、わたしにとってこのプログラムは、フィギュアスケートを好きになるきっかけだったのだ。
今思えば、一目惚れだった。
曲を好きになるほど何度も見て、歌詞だって調べて、けど、生で見られることなどないだろうと、思っていたのだ。

透きとおった、だけど悲しげな瞳で、顔をふっ、と横へ向けるしぐさからこのプログラムは始まる。低い声にあわせて、流れるように彼は滑り出す。「行かないで」。それまで誰も語らなかった、愛に屈服する男性の姿を、ジャック・ブレルが初めて歌ったものだ。
痛切に「行かないで」と繰り返すこの歌を、ランビエールはどう感じたのだろうと、かつてわたしは考えたものだった。
その答えは、彼のスケートの中にあった。
ランビエールの指先が、首が、ひとつひとつの動作が「行かないで」と言っていた。ああ、今この瞬間、この歌は彼の歌になっている、そんな風に感じた。強い悲しみが霧のように濃く会場を満たしていて、わたしまで何かに、手の届かない何かに対して「行かないで」と言っているような、強烈に後ろ髪を引かれるような気持ちになってしまう。
氷に膝をついたうなだれるようなポーズ、「行かないで」という歌詞に合わせて手を伸ばすポーズ。スピンは第一部と変わらず美しいのに、悲しさが彼を衝き動かしているように見える。届くことのない何かに向かって伸ばした右手は何も掴めずに空を切る。はるか遠くへ行ってしまってもまだ未練を捨てきれず、その右手は「行かないで」と言っている。

…………あの空間を言葉であらわすことは不可能だったorz
とにかく、その場では何も思えなかったんだけど、今思い返したら「あのときNe me quitte pasは彼の歌だった」という言葉しか出てこない。ジャンプにもスピンにも、拍手をするということを忘れていた。
表現力というものが何なのか、わたしにはいまいちよく分からないのだけれど、やはり初めて動画で見たときと同じように、これが表現力だ、これが芸術だと、感じた。
うわさの毛玉衣装は生で見るとそこまで変でもなかった。動くたびにきらきらと揺れる。涙に見えなくもない。
でも膝をつくあのポーズで拍手喝采はねぇよw
あと、巨大てんとう虫ぬいぐるみ投げ込んだやつ出て来いw ちびっこ超大変そうだったぞw


Die Another Day by Joannie Rochette

これ、とってもかっこよかった。以前のエキシだそうだ。
最初は後ろで組んだ手に黒い布が巻き付いていて、某選手の某拘束服プロを思い出してなんかないんだからね!
第一部とは打って変わって、かっこよくリズミカル、かつセクシーな感じ。しかしパンツスタイルの衣装がよく似合うなあ。
リンクに座ったり膝をついたりする部分は、おお、欧米のおなごはセクシーだなあと思ってしまった。おなごって(笑)年上だよ。でも本当に、アジア人にはどうやったって出せない妖艶さがあると思う。
こちらでもイナバウアー(レイバックじゃない)をやっていたので得意なのかなーと思ったんだけど、ロシェットは筋肉がつきやすい体質だとどこかで聞いたことがあるから、優雅な動きや柔軟性を維持するのは大変なんだろうな。
今画像で確認したらポニーテールだったみたい。わあ!
最後は、ばきゅーん☆ セクシーでかっこいい、そしてキュート!兄貴すげぇ!


Heartbroken by Johnny Weir

しっとりというか、少し悲しげなプログラム。でもジョニ天の歓声は相変わらず激しいw
わずかに白のラインが入った黒のタンクトップに黒スパッツ(でいいのかな?)という、ジョニーにしては珍しい、全くと言っていいほど装飾のない衣装。
モニターに映ったジョニーは大きな瞳でもの悲しげに虚空を見つめていて、純粋に美しいと思った。はあ~なんだこの二重。何このまつげ本物なの?
たしか囲み目で、左目の下に黒の縦ラインが短く入ったメイクだったかなあ。ということを今思い出したら、ああジョニーはPokerFaceが終わったあとお色直ししてたのか……と思った。
PokerFaceやI love you,I hate youのような、エロエロ全開な演技もジョニーらしくてとても好きだけど、こういったしっとりしたプログラムでも彼は十分に観客を魅了してくれる。きらびやかな衣装を見事に着こなすジョニーだけれど、彼の輝きは衣装によるものではないんだ。
この人は音楽に乗るというか、音楽を吸収するのがとてもうまいんじゃないかと思う。
最後に氷の上に倒れる格好になって、なんとなくプルシェンコのMaladeを思い出したけれど、そこからゆっくりと、自分の体を抱きしめるようなかたちでフィニッシュ。ランビエールのNe me quitte pasが感情を直球でさらけ出している感じなら、ジョニーのHeartbrokenは隠し切れない感情があふれてくる感じ。Heartbrokenという題名だけど、わたしの目には、なんだか寂しそうに映った。
というか、どんなプロ滑った後でも、お辞儀するときの彼の笑顔はなぜこんなにも可愛らしいのか!!まさに(n‘∀‘)n←これ。

と、ここで司会者と趙宏博が舞台上に現れて、前振りトーク。
あまりよく覚えてないので、大体の流れ的なものだと思ってください(´・ω・`)
「先ほどのプルシェンコの演技は観客を大いに盛り上げてくれましたね」
「僕は彼の気持ちが分かるよ。男として、ああいった筋肉には憧れるものだ」←おいwww
「次のプログラムでは、さきほどとは違う一面を見せてくれます」


Tango Amore by Evgeni Plushenko

これ!これMaladeやる予定だったんだねうわあああ!
Malade見たかったけど、まさかタンゴが生で見られるとは思っていなかったので、それはそれで嬉しい。この衣装の背中が大好き。
音楽がかかって、彼が片腕を振る動作とともにこちらを向くと、もうそこはプルシェンコの空気になる。これが皇帝とよばれる彼の貫禄というものか、と思わされる。全盛期より衰えたとか、そんなこと関係なくなってしまうくらいに、彼の一挙一動が、会場に彼の空気を広めてゆく。
クワドこそ跳んでいなかったけれど、3Aを2回と、3-3だったかな。ショーでも手を抜かないのか、手を抜いてこれなのか。彼があまりにもピョンピョン跳ぶものだから、わたしでも2Aくらいとべるんじゃねーの(゚∀゚)なんて思っちゃうじゃないか!
四ヶ所あるリンクサイドの席すべてに寄っていく、ファンサービスを考えた構成。わたしのちょうど向かいのあたりのリンクサイドに寄っていってうわさの腰振りをしていた。最前列のお姉さんたち死にそうだった。横断幕(って呼んでるけどあれバナーっていうの?)をばたばたしていた。お前それヤグディンのバナーちゃうんかと。
ああ、そうだ会場ではヤグディンのバナーがやたら目立っていたんだw あと雪組のでかいやつ。ジョニーのはこちら側にあったから見えなかったのかな。もちろんプルシェンコのバナーもあったけどね。ヤグディンバナーの隣とかにね。

関係ないけど気にせずMaladeの話するよ=^∀^=
Je Suis Malade――「僕は病気だ」。オリンピックのエキシビジョンの映像を初めて見たときは特に何とも思わなくて、最後のシャキーン⊂(`・ω・´)⊃がおもしれぇwとかそのくらいだったんだけれど、今は大好き。わたしの場合、時間が経ってだんだん好きになるプログラムというのは珍しい。
僕は病気だ。君なしでは生きてゆけない。もしこの愛を続ければ、僕は死ぬ。
歌詞を調べて、その歌詞がプルシェンコにシンクロして見えた瞬間、このプログラムの見方が変わった。マイ画像フォルダにMaladeの演技中と思われる画像があるのだけれど、なんというか、引き裂かれるような表情をしていて、あとTHE ICEの映像で見たこのプログラムの、少々乱暴にも思える激しいステップが彼の痛切な思いをあらわしている気がして、彼がこれをオリンピックのエキシビジョンに持ってきた気持ちを思うと恐ろしあ。
ぬぎっぱもそうだけど、気になる曲の歌詞を調べると、また違った発見があっておもしろい。特にこの曲は、プルシェンコのことを考えながら歌詞を読むと、いちいちドキッとさせられるんだ。



Impossible Dream by Qing Pang & Jian Tong

衣装からして、09-10シーズンのエキシ、でいいのかな。
女性が髪を下ろして滑るのはとっても素敵だな。ショートヘアもいいよね。
このショーを見に行けることになってから、雪組の動画を少しだけ見た。有名なトゥーランドットとか、バンクーバーオリンピックの映像とか、本当に少しだけ。
ただ8月の後半に無理な日程でバイトを入れてしまったこともあり、パントン、ちゃんず(という呼称が一般的みたいね)の動画を見る時間はなくなってしまったのだ。
ライブに行くなら、やっぱり予習をした方が楽しめると思う。ので、これは非常に残念だったというか、反省すべき点だ。まずペアについてよくわかっていないので、どうしても印象が弱くなってしまった。
とはいえ彼らがすばらしい選手であることに変わりはなく、会場は大いに沸いていた。個人的に、リフトやスロージャンプも好きだけれど、ふたりが離れているときの「間」というものが大好きだ。
このプログラムも割とバラード系だった気がするのだけれど、欲を言えばこうノリノリなペアプログラムというのも見てみたかったなあ。特に今回のショーのペアは、全体的にゆったり魅せる系が多かったので。
ペアに詳しい方、おすすめのプログラムがあったらぜひ教えてください!


Ballade by Mao Asada

もうお馴染みとなっているバラード。極端にシンプルな衣装がよく似合っていると思う。でもこれスカート部分が透けない厚さの生地か、もしくは(そんなことできるのか分からないけど)透けない厚さから裾に向かって徐々に薄くなるスカートだったらもっとよかったかもしれない。
綺麗だな、と素直に思った。ステップの要素とかそんなによく分かっていないけれど、できるだけひとつひとつの動きを、目を凝らして見てみた。からだの中心に、やわらかくてしなやかな芯が入っているような動きをするんだなあ。
確か最初のジャンプが抜けて、近くの人が「リンクの状態がよくないのかな」と不安そうにつぶやいていたけれど(ヤグディンも転んでたし)、2つ目のジャンプは成功だった気がする。このプログラムは本当にバレエ色が強いイメージなので、いっそのことジャンプがなくてもそれはそれでよさそうだ。
真央ちゃんは手足が長いのかな?と、オープニングとこのプログラムで思った。わたしは昔ちょびっとだけモダンバレエをやっていたのだけれど、わたしの姉は腕が長くて、そういう人って舞台上ですごくきれいに見えるんだ。シンプルな衣装だとそういうのが目立つということもある。


Sway by Alexei Yagudin

タイトルは「Sway」で、いいんだよね?
わたしの席から見て斜め向かいの客席から登場。最初は(゚д゚)アレ?アレ?となっていた観客も、スポットライトを辿ってみてびっくり。そして客いじり。
あのね、今からすごいひどいこと言うけどね……帽子被ってたせいもあるけど、一瞬普通の通りすがりのお客さんかと思ったんだ……一瞬だけだよ!!もう本当にごめんなさいww
これ階段のところで待機中のようす想像するとおもしろいけどね。
客席を降りていって、柵をよっこらせと乗り越え、靴の刃のカバーをシャキーン!シャキーン!と外す。
第一部のWinterで見せた、観客の呼吸を止めてしまいそうな迫力から一転、スマートというか、本人も観客も楽しくなるような演技。ただ彼の輝きはやっぱり消えなくて、多分どんなときでも、カードキャプターさくらの光と闇のカードの話のように、彼自身から発せられる光は消えないのだと思う。例えがきもくて申し訳ない。
途中でコロテーンとこけて腕立てをするところ、何この29歳超楽しそうって思った。いい笑顔だった。あとマニュアルに載せたいくらい綺麗な腕立てだった。
曲が一旦終わり、お客さんがぱらぱらと拍手をしだしたところで、まあリンクの端に寄っていたから予想はついていたけど、白いシャツをスパーンと脱ぐ。投げ捨てる。タンクトップ。
わたしはあまりむきむきした男性というのは好きではないのだけれど、ヤグディンの肩~腕の筋肉には思わず見惚れてしまう。そうか、あの腕立てがこのむきむきを作るのか!
脱いだあと寒そうに身体をかかえこみ、そのまま静止→拍手喝采。あの、プルシェンコのSexBombで脱いだ後もそうだったんだけど、これっていわゆる笑い待ちだよね。
うちにあった大喜利猿の本で「一番かしこいチンパンジーはどんなことまで出来てしまうのですか」→「笑い待ち」というのがあったけれど、わたしはSexBombを見ているときに、「そうか、一番すごいスケーターは笑い待ちまで出来てしまうのか」と思ったものだった。
ここからノリノリの音楽になるわけだけれど、もう終始お客さんを煽りっぱなし。手拍子とか。あまりそういうイメージがなかったので意外だったけれど、その甲斐あって異様なまでに盛り上がった。熱狂、という感じ。あのお断rヤグディンステップ→横向きヤグディンステップが本当にかっこよかった!


Turandot by Xue Shen & Hongbo Zhao

そして最後に登場したのは、もちろん雪組。トゥーランドットというのは、2003年に世界選手権で金メダルを獲得したときの伝説的プログラムなんだよね。8年越しの夢を叶えて万感の思いで滑るトゥーランドット。
雪さんは赤い布が長くたなびく扇子を持って登場。ひらひらしてとっても綺麗だった。趙さんの首にスカーフのように巻きつけて演技をしたり。
さきほどパントンのところで、ペアが離れているときの「間」について言及したけれど、この二人の間は本当にすごい。リンクの端と端にいても、手をつないでいるみたいに思えるんだ。二人の愛情、18年という歳月、そのどちらが欠けてもこうはならないと思う。
リンクの真ん中で抱き合うような格好で、雪さんが左手を伸ばしてフィニッシュだったと思うんだけれど、それからけっこう長く感じるくらいの間、お辞儀もせず、そのまま抱き合っていたのが印象的だった。雪さんが趙さんの背中をばんばん叩いて、本当になにもかもが嬉しくてたまらない、というように。あまりにも長い道を乗り越えた先の五輪の金メダルも、夢だった氷上結婚式も、中国フィギュアの歴史に名を残す初めてのショーも、その全てに対する感情の爆発、そんな感じだった。
大歓声の中、彼らが氷上を去るとともに、べつの音が響きわたる。
そしてフィナーレへ!


◆Finale

突如として陽気なリズムが聞こえ出す。どこからの音かと見回せば、舞台の上に4人のパーカッション奏者。
ライブで言うアンコール待ちのように、ずいぶんと長い時間、パーカッションにあわせて手拍子をしていたように思う。
詳しい流れは覚えていないけど、フィナーレ。オープニングと同じように、ひとりひとつの技を披露する感じ。プルシェンコはジャンプ、ヤグディンは確かステップ、ランビエールはスピン、真央は足をまっすぐ上にあげるスパイラル。ロシェットはたしか、ランビとほぼ同時に出てたんだったかなあ?もうスピンに視線を奪われていたよ。
え、ジョニー?そりゃもちろん仰向けで滑るアレですよ。ジョニバウアーで通じるのかな。ああ、やっぱり君はそれだよね(笑)!氷上のDIVAさんマジかっけーっす!!
で、どのタイミングかはちょっと忘れちゃったんだけど、リンクを回る→一箇所に集まるようなときに、なぜかロシェットとちびっこ一人だけその列から離脱していて。ロシェットが足を引きずっているように見えたので、何事!?と思ったのだけれど、なんとロシェットがちびっこと一緒に少し移動して、そこに散らばった何かを片付け始めた(笑)。多分、ちびっこが持っていたカゴに入っていた飾りの類だと思うんだけど。ロシェットの優しさに感動するとともに、そのシュールな画に笑ってしまった。保育園のお姉さんのような人だなぁ。

そしてリンクの端に集まった彼らがふたたび真ん中に出てきて、若干グダグダな礼。隣のおにいさんがうるさいから何かと思えば、ジョニーが当然のように薔薇冠を装備していた。誰かこのDIVAを止めろ(笑)。おまえは花嫁か!!
薔薇冠を袋に入れた人を、そういえば見た気がするのだけれど、どのタイミングで渡したんだ。転送魔法か。
リンクの南北側の席に礼をしてから、4分の1回転して東西側の席に礼をするんだけど、あれたしかヤグディンだったと思うけど、パーカッションにあわせて頭上で手拍子しながらトコトコ歩いててかわいかった。
そして全員がふたたびリンクを回る。気がついたら全員が立ち上がっていた。そのせいで見づらくなっちゃったけど、もうとにかく立ち上がらずにはいられない。
これぞスタンディングオベーション!



全員がリンクから去り、照明が点いてアナウンスが流れても、しばらく席を離れられなかった。混雑していたのもあるけれど、なんとなく動けなかった。頭の中に金色のもわもわみたいなのが広がっていて、それが消えるまで、ゆっくりとリンクを見つめて過ごした。

これでおしまいなら気持ちよく帰ってぐっすり眠れるけれど、わたしにはやらねばならないことがあったのです。
態度の悪い警備員が追い出しを始めて、わたしは残っていた唯一の懸念のために立ち上がるのでした。
以下余談。


わたしがやっていなかったこと、それは雪組へプレゼントを渡すこと。
投げ入れられるものではなかったので、どうしようどうしようとずっと考えていた。日本のショーなら受付に預けたり、そういう取り計らいもしてくれるのかもしれないけれど、ここは中国。
スタッフ的な人がいたら預けられないかと客席をうろうろしてみたが、なかなかいない。
客席を出るとみんな次々と帰ってゆくし、警備員が追い出しをしているし、本気であきらめようかと思った。持って帰って、他の人にあげたり、自分で使ったりすればいいじゃないかと。
ただ、ここで負けたらいけないと思った。ここは中国で、誰も助けてくれない、自分の力で押していかないと何も出来ない場所で、わたしはこの場所で生きていかなきゃならないのに、こんなところで負けてどうする。

目をつけたのは、出口のそばにあったスポンサーのテナント。ARTISTRYという化粧品会社のコーナーだ。スタッフTシャツを着た、わりと若いお兄さんが3人ほど座っていたので、一番弱そうな人に声をかける。
「出演者にプレゼントを渡したいのですが、どこに預ければいいんですか」
「いや俺ここのテナント担当だからわかんない」
まぁ、そうだよなぁ。ごめんねお兄さん。
「わたしも中国のことが全然分からないのでどうすればいいか一緒に考えてください」
「えっ」
まじごめんお兄さん。
わたしの押しに若干びびった様子のお兄さん、外国人と知って協力的になってくれた。
階段を下りると受付のようなものがあると思うので、そこで訊けと言われた。礼を言って、教えられた方向へ歩き出す。しかし階段がない。別のスタッフを捕まえて事情を説明し、階段まで案内してもらう。
「この階段のことだと思うよ」
「ありがとうございます!」
そして降りた先にあったのは、楽屋入り口
受付とか存在しない。どういうことなの……。
目の前の出入り口の向こうには大量のファン。わたしのいるところには数名の観客、打ち上げの参加チケット(おぉ!)を持った人。古参ファンとおぼしき花束を持った外国人さんが、ジョニーと一緒に写真を撮っている。わあジョニーだー
…………わたしはここにいてはいけないのではないだろうか。一番高い席を買った人だけの特典とか、そういう場所に迷い込んでしまったのではないか。
と思ったけれど、とりあえずその場に立ち尽くす。家族連れとおぼしき人の後ろに隠れたけれど、この人たちも実は出演者の身内とかで、わたしは場違いなのではないかと不安になる。
多分、5分くらいそこにいたと思う。プルシェンコが通って、出口の外のファンが悲鳴を上げたけれど、係員の指示で別の廊下の方へ消えていった。灰色のスウェットだった。隣では金髪ツインテールの美女がくまのぬいぐるみをかかえていて、ああこれがプルシェンコの奥さんかと思った。低いツインテールめちゃくちゃ可愛かった。
と、わたしが隠れ蓑にしていたひとたちが、揃って移動を始めてしまう。ついて行くわけにもいかないので、思い切って楽屋の廊下に一歩だけ踏み入れて、そこにいたスタッフに声をかける。
「プレゼントを渡したいのですが、どうすればいいんですか」
すると、近くにいた超怖そうなおっさんが寄ってきた。
「何?プレゼント?誰に」
「申雪さんと趙宏博さんです」
「ふーん、じゃあこっち来て」
「え、入っていいんですか」
「うん。今本人いないから、楽屋に置いてきなよ」
このおっさんは天使の生まれ変わりだったのか。二人の楽屋の前まで案内してもらい、中にいたスタッフさんにプレゼントを渡して、おっさんに礼を言って、階段を駆け上がった。任務完了!テナントのお兄さんにもお礼を言って、外へ出た。いろいろな感情であたまがごちゃごちゃになっていて、日本語を喋っているっぽい二人組とすれ違ったけど、声をかける気も起きなかった。
なぜだかよくわからないけれど、泣きそうなのをずっとがまんしているような気分だった。



----------
そして反動で三日間引きこもったけれど、それはまた別の話。
聞き間違いじゃなければフィナーレのときに、司会者が「来年のARTISTRY on ICEでお会いしましょう」と言っていたと思う。
来年も開催されたとして、行くかどうかは分からない。
けれどとりあえず、これがわたしにとってのARTISTRY on ICEの全貌です。いつからかあまり感情を大きく揺り動かすことをよしとしなくなったわたしが、頭痛を起こすほど感動してしまったアイスショーでした。
ここから繋がっていけばいい。中国のフィギュアスケートが、ここから広がっていけばいい。
その大きな一歩目を目の当たりに出来たことを、嬉しく思う。

ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました。文章のむずかしさを改めて知りました……(´-ω-`)

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無題
後半のUpお疲れさまでした。
すごく面白かったです。何だか中国のフィギュアファンを身近に感じました。
プレゼント、無事預けられてよかったですね。
moet 2010/09/12(Sun)22:54:34 編集
Re:
コメントありがとうございます!
はじめて見る中国のフィギュアファンたちは、日本のファンと同じように楽しそうで、何人か仲良くなれましたよ。
スポーツに国境はないんだなぁと思います(*´∀`*)
佐野  【2010/09/13 04:08】
中国の知らない素顔
はじめまして。
レポを読ませていただいて、とてもあったかい気持ちになりました。
>>ここから繋がっていけばいい。中国のフィギュアスケートが、ここから広がっていけばいい。
本当に同感です。
まだまだ国際レベルとは程遠い中国の観戦マナーでしょうが、
世界は広いということを、こういった国際交流で徐々に浸透させていけると思います。
なんだかここのところ、中国人に対して良いイメージが持てなかっただけに、新鮮なレポでした。
ともちん 2010/09/13(Mon)21:48:51 編集
Re:
はじめまして、コメントありがとうございます!
中国というのは良くも悪くも日本の常識が通用しない場所で、そのせいで戸惑うこともたくさんあるんですが、スポーツというのは一番わかりやすい国際交流の場じゃないかなとも思います。
すぐに全部変わることは無理でしょうが、中国のこれからに期待したいですね。
佐野  【2010/09/13 23:28】
無題
レポありがとうございます。描写が細かくて、想像が容易に出来ましたヨ!
プレゼントも渡せて本当に良かった!しかし、楽屋口まで通しちゃうとか、中国アバウト・・・(苦笑)
こしょう 2010/09/13(Mon)22:43:10 編集
Re:
コメントありがとうございます!
中国はなんでもありでした……(-ω-`)
一般人の癖に楽屋付近をうろうろしてしまいましたが、プルシェンコやジョニーも見られたし、プレゼントも預けられたし、結果オーライとします(笑)
佐野  【2010/09/13 23:31】
お疲れさまでした!
気持ちのこもったステキなレポを読ませて頂けてとても嬉しいです!
プレゼント、ガッツで渡しによく行きましたね☆
すごいです(*^^*)
お疲れさまでした。
お体休めて、学校も大変でしょうが頑張ってくださいませ。
ありがとうございました!
モンナ 2010/09/15(Wed)19:25:19 編集
Re:
コメントありがとうございます!
プレゼントは正直もう持って帰って自分で使おうかなと思ってたので(笑)
テナントのお兄さんたちに感謝!ですw
佐野  【2010/09/16 01:07】
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